現在、転職活動真っ只中の私ですが、今回は今だからこそ言える、会社を辞める前に考えて欲しいことについて書こうと思います。
死ぬくらいなら会社辞めれば
先日、本屋に行ったら、こんな表紙が目に飛び込んできました。
「死ぬくらいなら会社辞めれば」
うわぁ、なんか過激なタイトル・・・でもその通りなんだよなぁ・・・
と思ってたら、最後に
ができない理由(ワケ)
とありました。
なるほど、「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」というタイトルなんですね。
表紙から受ける印象とは裏腹に(失礼!)とても良いしっかりした内容の本です。Twitter上で話題となったマンガを精神科の医師監修のもとに加筆したものとのことです。
仕事で行き詰まって死ぬなんて、正常な状態なら全く考えないと思いますが、追いつめられていると、知らぬうちに、“会社が全て、他に逃げ道などない”などと思い込んでしまうことはあるんですよ。
死を選んだ先輩、同僚
思い返すと、私の身近にも死を選んだ人が数人います。その中でも強く記憶に残っているのは2人。それぞれ環境や事情は異なりますが、私からすれば死を選ぶ必要は無かったんじゃないかと思います。ただ、その時の当人たちにとってはそれ以外の選択ができない思考パターン、いや思考すらできない状態だったのでしょう。
1人目は私が社会人デビューした時、社屋から先輩社員が飛び降り自殺。その方とは面識はなかったのですが、オフィスの窓から大きな影が落ちていくのが見えました。
その会社は社員数が数万人の大企業、大半の従業員にとって“出世”は一つの目標であり、またやりがいでもありました。残業時間が異常に多く、その中で実績を出しながら昇進試験をパスしていくことが出世の最低条件。それに加えて社内の人間関係もうまくやっておかなければ昇進はできません。
「課長の昇進試験に3回落ちると、出世の見込みはない」なんて言われていましたが、新入社員だった私や外部の人から見れば「それはそれで仕方がないコト」なのでしょうが、本人にとっては死を選ぶほどのプレッシャーや挫折ということなんでしょうか。
当時私はSEだったのですが、思い出すと作業ができるのが顧客のコンピューターを止められる深夜や休日、100時間を超える残業は当たり前。さらに急なトラブル対応があるとその対応に追われ、計画通りに仕事を進められない・・・そんな状況の中でも常に冷静な分析、判断が求まられました。一方で自分のこととなると急に視野が狭くなっていたと思います。
自宅と会社と取引先のトライアングルを回る毎日。会う人も限られ、肉体的にも精神的にも披露していると、その中のことが全てみたいな感覚になってしまうのも仕方ないですかね。
・この案件は絶対失敗できない
・次の試験で落ちたらどうしよう
・あいつはうまく出世していきそうだ
・まずは今日の仕事を片付けなくちゃ・・・
会社を辞めるなんて選択肢は出てこないのかもしれません。
もう一人はその約20年後、同じフロアで働く同僚、年齢は40手前くらい。不本意な仕事を続けなくてはいけないことに疲れ、心が壊れていったのだと思います。
彼は能力や理想が高かっただけに、目の前にある仕事がつまらないとか、やりがいが感じられなかったのかもしれません。しかも、そのモチベーションが上がらない仕事の量が半端なく多い毎日。
環境を変えたい!
でも会社は何もしてくれない。
家族を養わなくてはいけない。
独立してやっていく自信はない
今さら他の仕事なんて考えられないし・・・
自宅と職場の往復が続く毎日、会話する相手はいたかもしれませんが、プライドが高い人だったから本音で話せる、弱音をはける相手はいなかったのかもしれません。
職場不適応症と診断されて
と言っている私自身も今でいえばブラック企業で働いていたわけです。家庭も顧みず毎日仕事、寝る暇を惜しんで仕事してました。
ただ、これは苦痛だったわけではないんですよ。やりがいというか面白さもあったし、気が乗らない仕事でも、その中で楽しさを無理やり見つけて楽しんだり。仲間と一緒に苦しみながらも最後にうまくいったときの達成感。その時はこれこそ俺の仕事だ!と思ってました。
しかし、40際にもなれば部下も責任も増え、やりたくない事務処理も増え・・・それでも現場仕事の手を抜きたくなかった私は、知らぬうちにどこか壊れていたようです。そしてある日、上司からカウンセリングを受けるよう勧められました。周りからはおかしく見えていたんでしょう。
結果は「職場不適応症」。その診断が正しかったかどうかは分かりませんが、会社としてはこれは一大事と私の環境を変えるよう動いてくれました。
しかし、当時私は大きなプロジェクトを抱えていて、周りの社員からはそのまま続けることを望まれました。また私自身もその診断や処遇を受け入れたくなかったし、甘えや逃げのような感じがして、結局、同じ業務を続けてしまいました。今から思うと変なプライドや責任感なんですけどね。自分では気付かないものなんです。
鬱?
いやいや、そんなの甘えでしょ?そう思ってました。
私がいなくなったら会社は回らない。
大きな勘違いです。もちろん私が経営者なら別かもしれませんが。
そう、会社はそんなことでは潰れません。
私がいなければ仕事が回らない。
部下に任せるのは不安。
休んでなんかいられない。
そう思っていましたが、周りからすればハッキリ言って迷惑でしょう。
もし私が事故にあったり、病気で入院したりしたらどうするんですか?
誰でもできる体制づくり、時には思い切って部下に仕事を任せることも必要です。
自分が張りきってやるのは勝手ですが、それで周りが育たない、休みが取り辛い、では部下もかわいそうですよね。
ただ、これは今だから思えること。会社はキチンとしているのに、私がブラックな働き方をしていただけでした。
私は仕事のスタイル、考え方を変えるチャンスを貰ったのに活かせなかったのです。
辞めるのは簡単。でもその前に休んでみませんか?
さて、現在私は仕事を辞めて約3ヶ月。求職活動でちょいと苦戦してますが、体の調子は良いですし、気分もすっきり、いろんなモノコトに感動することが増えた気がします。
会社を辞める権利は誰にでもある
過酷な労働環境の中、納得できない仕事が続き、締切りに追われ、仕事の進捗が気になって眠れない。そんな状況でよいアウトプットができるわけありませんし、多分あのまま続けていたら、いろんな意味でヤバかったと思います。
その時は気づきませんでしたよ。
人に仕事を任せることが下手でした。
手を抜くことが出来ませんでした。
全部自分が責任を取るべきと考えていました。
会社を辞めるなんてことは逃げや甘えと無意識のうちにそう思っていました。今から思えば家族にも心配や迷惑をかけていたと思います。
あなたが突然倒れたら、会社や同僚は表向きは「無理したんだからゆっくり休んで」と言うでしょう。でも実際は感謝するどころか、ともすれば「こんな時に倒れられちゃ皆が困る」「会社としての管理を問われるじゃん」と文句を言っているかもしれません。
会社としても(ある程度の保障はしてくれるかもしれませんが)使えなくなった社員は要らないでしょう。身を粉にして働いても、報われません。
自分や家族を守るために「会社を辞める」という選択もあることを覚えておいてください。
社長や上司にはお世話になったから・・・そういう気持ちは大切にしたいですが、まずはご自身のことを考えてください。
法的には辞めるという意思を伝えたら2週間で辞められますし、会社の規則で退職までの期間を定めているところでも、たいてい1ヶ月くらいだと思います。
会社を辞めること自体は簡単なんです。
でも、だからといって、ヤバいと思ったら辞めましょう。と言うつもりはありません。
人手不足の今の時代、職種や収入にこだわらなければ仕事は見つかるでしょう。
しかし、今の仕事(会社)の方がよかったと思っても、戻ることは難しいと思います。
ですので早まらず、まずはちょっと会社と距離を置いて自分と仕事を見つめ直してみることをおすすめします。
※優秀で引く手あまた、という方はとっとと次を決めて転職してください。
思い切って休んでみよう
働き方を変える!なんてことが自分でできるのなら悩んでいませんよね。
まずは休んで会社と距離を置いてみませんか?
のんびりしてみましょうよ。
できれば携帯もメールもない環境がいいと思います。
寝るのもよし、旅行、読書、気になっていたことやりましょう。
昔の友人に会いに行ったり、思い出の場所に行ってみたりして、初心を思い出すのもよいでしょう。
何にもしないのもいいかもです。
私が休んだら皆が困る
他の人も頑張ってるんだから、自分だけ休むわけにはいかない
そう思いがちですが、会社なんですから、そんなことは決して無いんですよ。
逆にそんな会社ヤバいです。
もちろん、今手掛けている仕事のいくつかは、大変なことになるかもしれません。
しかし、それもなんとかなるものです。短期的には社員の負担、コストや納期がかかったりするかもしれませんが。
もし、あなたがインフルエンザで1週間休むことになったら会社潰れますか?
・・・その時は自宅で携帯とパソコンで・・・
だったら、縁起でもないですが、あなたが事故に遭ってICUに入ってしまったら?
そう、会社は何とかしなくてはいけないし、なんとかなるものなんです。
だから、思い切って休みを取りましょう。
その時はいろいろ言われるかもしれませんが、あなたがリフレッシュして、気持ちよく、長く働けるようになれば結果として会社にとってもプラスなはずです。
距離を置いてみると、いろいろ気付くこともあると思います。働き方、仕事に対する考え方が変わるかもしれません。あ、会社がブラックだと確信するというのもあるかもしれません(^^;)
今はそこまで悩んでいなくても、もし自分も予備軍だなと感じているのであれば、この本、、読んでおくと良いと思いますよ。